特別な思い入れのある本、心に残っている本5冊(まで)
- 作者: 伊藤比呂美
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1992/07/17
- メディア: 文庫
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しかし、プチブームになったママンガ(経産婦=ママの書く漫画)、今風育児本のさきがけとなったこの本には、太宰な季節を生きる小娘に「そーか、私はうんこだったのか。」と産む側からの真理をそうとはなしに諭してくれた。
お腹が重いので蟹股になって、腹がせりだすのでどうしてもふんぞりかえってしまう、腹に栄養をとられるので人相まで悪くなってしまう、態度も傲慢になってしまう、でもそれが妊婦なのだ「それで悪いか」とか書いてある。
妊婦ってなんか薄汚いと思っていた私。「私も自分が妊娠するまでは思っていた」と書いてある。
私はなぜかそのあたりに大変な好感を持ってしまい、出される続編、著者の旦那の書いた番外編まで読み漁ったが、この育児本には(大きなお世話ですが)“離婚”というオチがついていて、一度は氷解したかに思われた私の疑問がさらに凝結。
“うんこ、おしっこ、おっぱい”と夫婦で(一見)あけすけに語りまくったあと、離婚した理由とかそこへいたった経緯とかは一切明かされることはなく(明かす義務もないが)、髪をふりみだして娘の育児に奮闘したお父さんは、この育児本から忽然と姿を消すのが怖い。
渡る世間のキャストから、ピン子が説明もなく消えるかんじ。
いなくなっても困らないどころか、最初からいなかったぐらいの勢いでいなくなる。
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1978/12/22
- メディア: 文庫
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画家になろうと思って、油絵の勉強をしているうちに、それじゃ食えないからとバイトで漫画を描いているうちにプロになってしまったとかいう男だ。
この男に、16歳になるまでに筒井の本を読まないといっぱしの人間になれないと言われ、その予言があまりに恐ろしかったために私は筒井を読んだのだった。
- 作者: 江戸川乱歩
- 出版社/メーカー: 春陽堂書店
- 発売日: 1987/06
- メディア: 文庫
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立て続けに読んだので、どれがどの話だか混同している。
私が言いたいのは、便器の中に男の頭がはいっていたので、それを死体と勘違いするけれどもそれはただのズラだった、というトリック。
斬新にも程があるよ。
凄く良く出来た腕の彫刻を買ってみたらば中に本物の男の腕がはいっていたりとか、座った椅子がモゾモゾするのでよくみたら“椅子の中の人”がいたりとか。
乱歩の本は今もどこでも入手が可能だが、講談社版の乱歩全集でなくてはいけなくて、なぜなら挿絵が古沢岩美画伯だったり横尾忠則画伯だったりする。
- 作者: 山田風太郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1993/02/19
- メディア: 文庫
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切ない、悲しいと思う、が、それが気持ちよいという真骨頂。(M疑惑)
しかし、立て続けに赤星が亡くなったので気持ちよがっている場合ではなくなった。私は一体どうしたら。
古本屋でみつけた演劇界の増刊で、松緑(二代目)が、21世紀には歌舞伎はなくなります。と予言しているのを見たときにはバカな、と思ったがどうやら本当っぽい。
いやまじで。
- 作者: 森茉莉,中野翠
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1994/12/01
- メディア: 文庫
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