はいります

まだ

しゃばけのシリーズを読み返し、私はちょっと真剣に、家の中に100年存在しているものがありはしないかと探し始めている。
100年もたてば物にも魂が宿って付喪神になっている、という説が本当だったらバッチコイな気分になっている。
私はそもそもは人形は苦手で、なんでかというと、子供の頃に読んだ漫画だとかで元祖チャッキー的、「魂はいってます」な人形が悪意をもって人間に攻撃を加える話にマジ怯えしたからに他ならない。
色んなバージョンがあったが、やっぱり自分のところにいる人形のが一番リアルに怖くて、2時間サスペンスの再放送「殺人予告するフランス人形(顔がうちにいる子にクリソツ)」と「夜中に動き出しておよそキャラに合わない行為に及ぶリカちゃんとサブキャラたち」が本当に本当に怖かった。
「可愛い、コリャ可愛い」と思ってブライスを迎えておきながら、部屋にそのまま置くのは怖くて箱入りのままにしたり、そのブライスと目があったとき、「前に見たときと目の色違う?!」みたいに腰のひけた愛で方になってしまう。
慣れなのか、今はブライスに関しては多分大丈夫で、仮に動き出してもそれはそれ。
服を着替えさせているときなど、背中のボタンはともかく、タイツのタルミぐらい自分でなんとかしてくれんもんかねーぐらいのことはナチュラルに夢想するものだ。

可愛がっているドールに、私が願うとおりの人格が宿り始める「ピノキオ方式」
長らく人間と暮らすうち、物が神的な存在になる「しゃばけ方式」
彷徨う人の魂が、人形を仮に魂の入れ物として使う「チャッキー方式」
色んな「魂はいりました」のスタイルがある。
チャッキー方式は怖い、ピノキオ方式はウェルカム、しゃばけ方式は、見て見たい(興味本位)なものだ。
しゃばけ方式が一番「ありそう」。と根拠無く思い始めた私。
ちなみにキャッスルで一番古いドールは5月人形として迎えられたといわれる桃太郎。ケースと一体型になっているファンキーな仕様で、本体は無事だがケースが壊れているので足がグラグラ。
これは治してやらないといけない、と思っているがどこでどうしたら・・という懸案事項。
次に古いのがやっぱりバビ姉さん。
どっちも半世紀は余裕で越えている。
どっちも現役なのでキャッスルになじんでいて、動き出すときがきてもそんなに違和感はなかろう、とおもっている。
そのとき、キャッスルカーストでいえば私のほうが身分が下、ということも心得ているであります。

人形以外だとどうも、火鉢が怪しい。灰も持っているからますます「はいりそう」。
あと、門柱になっていた丸太。門を作り直したとき、廃棄するぐらいなら庭にかえそう、と思ってそのまま隅に転がしてある。
団子虫がせっせと解体しているが、柱になっても木(ライブ)は木(リブ)なので放置にもめげず、でかいし重い。これを支えていた、どこかの切り出しの石も同級生のはず。

私のプランとしては、妖、鳴家、みたいなものと共存するキャッスルの新形態構築。
それでどうするというではないが、ままならない浮世の風にあたっても、家の中は賑々しく、見えるものと見えないものの境界を私は超えたい。