мужчина

袋いり娘。グミ風

アレキサンダーオペラ座の怪人シネコンは邪道というお人もいるけれど、すいていて本気で気軽にプラっといけるのは素敵だと思う。プラっとしすぎて、アレキサンダーキング・アーサーと勘違いしていた自分には少し呆れるが。(ちょっと前までキングが上演されていたため。それも言い訳として成立しないぽ。)
フォーンブースのコリン・ファレル。ちょっとした作品でチンピラみたいな役をやっているのははまっているとおもうけれど、美形と判断してよいのかは自分としては謎な人だ。
あの濃くて長い睫を評価すると美男子ってことでいいのかもしれないけど、私には、「ダイエットに成功してちょっと鼻筋を通した野村義男」にみえる。どうしたもんか。
その人がアレキサンダー・ザ・グレート。で、アレキのオカンがアンジェリーナ・ジョリー。初っ端からアップででてきてまたおいしいところをもっていくのがアンソニー・ホプキンスというこの濃さ。
内容の濃度とはまた別に。飲み物でいうとネクター
ジャンルが違いすぎるので比べるのも乱暴だけれど、私はフィールド・オブ・ドリームスみたいな野郎のメルヘンに付き合うのが大嫌い。
世界を目指しているわりに計画性はナッシングなアレキなんだけど、その動機がファザコントマザコンのコンボだったから、というのが映画の軸になっとります。ハリウッド版麻雀放浪記(嘘)。
これぐらいの規模の映画で、信長か家康が見たいなーと思う。
本当か知りませんが、家康が実際に着用した、といわれる鎧が今もあって、そこにはかなりの至近距離から鉄砲でバキュンとした痕があるという。これは家康が、鎧の強度を試すために自ら試し撃ちをした痕なんだそうで、この鎧があれば鉄砲で撃たれてもOK!って確認した家康は、合戦のときに自ら前へ前へと若手芸人のようにでしゃばって相手の度肝を抜き、見事勝利を収めた、とかこういうのをがっつりした映像でみたいなあー!
アレキもブイブイ勝ち進んでいくが、策士だったといわれる部分はまるっきし描かれていないのでやっぱりファザコンザコン(しかも両刀)で自分勝手な人、にしか見えない。
のーのー、これは石坂黄門と同じ理由でアウトだ。ゾロゾロ人がついていった理由がわからないので、私はおいてけぼりにされた。男は愛嬌だよな。
最後は破滅するけど、そりゃそうだろ、というしかない。
こっちのほうが壮大なんだけども、アレキとトロイでガチンコしたらトロイの勝ち。ブラピのほうが床上手だから。
(アキレスは寝た女がみんな味方してくれるけど、アレキは女にしばしば裏切られる)
電車の中で、武将に学んで人事上手になろう的な浅いハウツーを読んでる男ってたまにいるけども、たとえば人からどんな人望が得られたら満足なのだろう?
家では奥さんが泣いていませんか、嫁と母ちゃんは仲良しですか、通勤が現実逃避になっていませんか、とかなりガチに疑っている私なのでいただけない。
しかし、ちょいと前までこういう役ってケビン・コスナーがチャビンのくせにでしゃばっていたんだよなぁと思う。なんかトム・クルーズの挙動がおかしいのも仕方ないかな、と。
結構お金かかった大作なのに、看板がコリン・ファレルでも平気ってことはもう世代交代終了なんだな。ということに、早く気づけ、さんま明石家。あなたの髪型はハリウッドスターの最新スタイルじゃなくておっさんが床屋で適当に刈ったぼっちゃん刈りそのものです。

そんなことはどうでもよくオペラ座
昔私が住んでいたところの近所に、養老の滝の社長のお住まいがありまして。ここの家が凄いんす。門ごしに中が見えるんだけど、裸の女の人が水がめもってそびえたっていたり、柱にいちいち天使の顔が彫りこんであったり、壁面のゴツゴツがよくみると全部ギリシャ彫刻(のレプリカ)だったり・・・・。また別の場所にはロダン風味な彫刻がうずくまって悶えていたり。時代とか派閥とか無視していながら、それらを超越した「高そうなもの」でデコレーション統一されていてそりゃあもう。お金あるならもっと有意義に使おうよ!という気持ち。かといって私がその家を嫌いだったかというとそういうわけじゃなく、このやり場のない思いが私をピンポンダッシュへと駆り立てたのです。何度もすみませんでした。
それでオペラ座のセットが凄く金銀パールで素材は多分発泡スチロールと塩ビかなーっていうのが伝わってくるので懐かしいったらありゃしなかったよ。養老の滝の怪人!
セリフはほとんどなしでもうええ、っちゅうぐらいみんなが歌いまくる140分。
地下の水路を船(ちうかボート)で移動したりするので俊寛を思い出し、サーカスに売られる顔面のコンプはシラノ・ド・ベルジュラックで、ヒソーリとオペラ座にひきこもる様はテンペスト
婦女子が人魚姫みたいな悲劇のヒロインに憧れるみたいに、男子にも失恋してメソメソすることに快感を覚えるシナプスが存在するに違いないと思う。
だからはっきり悲劇とも言い切れない。
(ミュージカルと知らずに人から誘われたので見に来てしまった、とかいう観客がいたらファントムよりもその人のほうが気の毒度は上であろう)
ヒロインと怪人を、師弟や親子の関係にしたところにグっときた。
序盤30分ぐらいを何度も見たいな。
あのタイトル曲を聴きたくないのにこれを見る人もいないでしょうが、ジャカジャカジャーンの威力をまざまざと思い知る。ちょっとダレてくるとジャジャジャ♪で持ち直して140分。
当然のようにサントラを購入してきてジャイアン祭り中。

最後に、この脈絡のない二本に奇跡のつながりが発覚。
アレキの主役、コリンが主演した映画はフォーン・ブースフォーン・ブースの監督は、オペラ座の怪人を監督したジョエル・シューマカーその人!
あー言われてみれば。怪人もおおいにストーカーの気あり、乱暴なやり方で俺流通して孤立する感じは脅迫電話系かも。どんな系だ。