зонтик

日傘



自分が持っているバビさんのことが知りたくて、バビの歴史について書かれた本を買ったとき、そこに有名なバビコレクターがコメントを寄せていて、「自分がバビを集めるのは人に見せるため」と断言していた。
写真でも展示会でもいいけど、とにかく見せろ、と。
自分としては人に人形を見せるのは悪いことだという認識があったため、その宣言はかなりのレボリューションだったといえる。
私には人形を集める趣味はない。気づいたらずいぶんと大所帯になってしまったが、私は収集を目的にしているわけでは断じてないのだ。
じゃあ何なのさ、って感じだが、連れ帰りたい衝動に任せて囲っているうちに、慣れないミシンがけなどもするキモい人に。
ホント、自分でも知らないうちに越えざる一線を踏み越えてしまうことがある、浮世とは不思議な場所ですねい。

そうか、人形は仕舞っておいちゃいけないんだ、うちのブラは本当は出たいのに出られないんだなんて真顔で考えてたあの日の自分。

夜風が気持ちよいですね〜などと思いながら、ミシンをかけつつプチ過去を振り返った私。
勢いでブライス専用引き出しの中の片付けまでしてしまった。
左右で長さの違うパンタロンや、エリの曲がったブラウスなどをみて震撼しているうちに片付けには挫折したが、蝉の声をきくとなぜかお針子魂がうずくのだった。