жарко жарко

夏の緑

消防の頃、学校でプールにはいるのを楽しみにしていたことが、今となっては信じられない。しかもあの頃、“気温が低くて水温があがりません。プール中止!”というのがたびたびあって、そのたびに激しく落胆していた。
要は、授業するよりもプールのほうが楽しいがや!ということだったんだと思うが、あんなに狭くて浅いプールで、自由に遊べるわけでもないのにはしゃいでしまうだなんて、なんてピュアだったんだろう、私たち。
学校ではいったプールには“浅かった、狭かった、寒かった”という記憶しかない。そう。あのとき、夏はこんなに暑くなかったのだ。
水温を無理やり上昇させるため、教師はプールにバケツリレーで熱湯を投下していたし、プールにはいったあと、私たちのクチビルは紫だった。
寒くてプルプルしているのに、「寒くない!私はぜんぜん寒くない!」と強がってた。
あれはなんだったんだろう。
プールに入る前に、全員でプールの前に集まってプールの歌を歌わされ、(その歌はプールに捧げられている)、プールに入る前に体育館の床の上で「泳いるつもりで泳いでいるフリ」の練習をさせられた。
プールにはいるまでのこの敷居の高さ!
このもったいつけよう!
昔の子供って、誰かに意図的に沸点を下げられてた感がある。
いつでもはいれるプールに今日もはいった、では誰も盛り上がれない。
逆にイマドキの子供は沸点が高いのではないか。
海の近くに住んでいるので、夜になるとやたらドカンドカン花火が打ちあがっているこのごろ。最初は窓から花火がみえるとかいって喜んでいたが、今はうるさいのでやめて欲しいと思っている。
年に一度の!とかいわれても、ネズミーランドじゃもっとしょっちゅう花火があがっているわけで、野球場にいっても花火花火だし、“うわあ”と口をあけてみいってしまい、あまつさえ涙ぐんでさえいる、驚きと感動で!とかいうヤングなんていやしないんだろう?そうだろう。
毎日見る花火なんてただの日常ではないかー。
同期の戦友が、続々と戦線離脱する中、走りきった美里姉さんはかっこいいと思おう。でもそのイベントを演出どおりに楽しめるのは年寄りだけさ、きっとそうさ。
20年分の思い出、とかそんなに重いもの担いで家まで帰れるの?どうなのよ。
ロックフェス、とかいっても喜んでいるのは年寄りだけなんだろうよ。
と思いきや、テレビでみた「お台場冒険王」のゴリエイベント。
「みんな、ゴリエに力を貸してください〜」とかいって客席に手を振るゴリエに“きゃー”と奇声をあげて手を振りかえしている元気な人たちの中にはパラパラとヤングな人の姿が。
あれはイベントの前に
炎天下の中
グダグダの誘導で
イライラしながら
何時間も待機させられて・・という辛い“沸点さげられまくり”のあとでやっとゴリエを見られた(金まで払って)というのがあっての“キャー”なのだと思う。
暴動起きないのが不思議だよ冒険王。この暑いのに。
たまには“素行不良のため出場停止”とかいうのがないと、甲子園ぐらいじゃ盛り上がれない高校球児もそりゃいるさ。いるだろうさ。
出られないはずが出ることになった球児は思う存分“きゃー”をしてほしい。
思いがけずに降って湧いた“きゃー”が素敵ではないか。
やだ!いたずらな神様!