обувь

黒マント


私の足は、人から纏足と呼ばれるほどに小さい。
とにかく履ける靴が売っていないので、年間365日、靴乞食として生きている。
私とは逆に、足がでかくて困っていた友人と“靴乞食仲間”として苦楽を共にしてきたが、最近はデカサイズの靴のほうはメジャーになり、普通に沢山あり、今はもうこの悲しみを分かつ友すらいない。悲しい靴乞食だ。
ちなみにそのデカ足の友人のサイズとて、25センチ。なんてデカいのか、と当時は誰もが驚愕し、本人も胸を痛めていたが、改めて考えてみるとさほど驚くほどのサイズではない。
16文の靴ぐらいザラに売っている。そんなジャイアントなご時世なのだ。
欲しい靴があってもサイズがない。この辛さ。
足の甲の高さだとか、幅だとか、指の形状だとか、私はそんな贅沢な注文をつけて靴を選んだことがない。
欲しい靴をみつけたら、迷わず一番小さいサイズを試着する。
歩いてみて脱げてしまわなければ、それが私の靴なのだ。
足があと1センチでっかければ。
縦に無理なら横にでもかまわない。
そういうことで、多少サイズが合わなくても、かろうじて脱げてしまいはしない“ブーツ”というのは大変に喜ばしい履物だといえる。
中敷いれまくっても、人にばれないし。
これがサンダルとかだと、押しても引いてもどうにもならない。
やっとサンダルの季節が終わったので私は新しい靴が欲しい。ネットで何足かポチったが、ことごとく在庫切れだ諦めろメールが届いた。
もともと少ない選択肢の中から選ぶため、撃沈したときのショックが痛い。
こんなにデフレな世の中なのに、金をだしても解決しないだなんて信じられないわ。
靴!どこかにちっこい靴落ちていないか!!