コックピットイン

線は一本なのよ!

とうとう本当にPCが逝きそう。
そういうことで、PC売り場を彷徨っていたここ数日。
今までずっと○ニーっ子。こんな邪気に満ちたなりをしていても、私はヴァイオっ子だったのだ。
100%○ニーチルドレンでございます。(言ってみたかっただけ)
何度もPCがクラッシュするたびに、人から○ニータイマーなどと嘲笑され、そのたびやんわりと擁護などもしてきた私だけれども、初めて○ニーじゃないPCにしてみた。
驚いたことに、選択肢から○ニーをはずしただけでもう選ぶ余地はほとんどない。小さいのがあるし、サイズごとにデザインも豊富だし、やっぱりヴァイオはいいなあ(壊れなければ)。
ヴァイオ以外だと、テレビがついているのが流行のようで、テレビなしだとノートか、何もかも手動で自前の超簡素タイプになってしまう。
今にして思えばその簡素タイプでもよかったのかもしれないが、売り場をうろうろしているうちに”一体型”の、コンセントだけであとの配線なしという背面のすっきりに心奪われてしまったのだった。
それで連れ帰ってきた、今私がいぢくっているPCこそが、売り場で一目見たとき「アホか、こんなでかいの机に乗るかよ」とプゲラしていたアホほどでかい一体型。
どれぐらいでかいかというと、トランクにはいらないので助手席に無理やり押し込んでやっと車に積むぐらい。
玄関で箱を解体して、二階の部屋まで。私は担いだ30キロ越。階段を上りきった時点で、自分の部屋まで行くのを放棄したくなるぐらい重いのだ。
その重量と値段による圧力により、元から少ないヒットポイントを8割ぐらい奪われた私。ヒャダルコ!(冷気によるダメージ)
マホカンタ!(防御)
なんとか机の上にのっけたものの、あばら家の土間にメルセデスを乗り入れた感じになってしまった。(想定内)
ホイミベホイミ!(回復)

とりあえず回線だけでもつないでしまおうと安易に手をつけたのは間違いだった。
何度かいじくってもうまくいかないので電源を落とし、ものすごい量のダンボールの鎮圧をしてから再度トライしようとすると口から臓物が飛び出すような死の宣告を受けた自分なのです。
買ったばかりの自分のPCに、自分でログインすることができなーい。
パスワードを書け、といわれたので何度も入力するがビッとかいうエラー音がでるばかり。
新しいキーボードの手触りに慣れていない私、もしかしたら自分の意図したとおりにタッチできていなかったのかも。
さてそんなときにはどうしたら。と珍しくハウツーマニュアルを読んで総白髪に。
「ウィンドウズへのパスを忘れてしまった場合、カスタマーセンターでは面倒みきれません。お客様負担で有償ハードディスクの総交換になりますプ」とか書いてある。
すごく大きな声で「がーん」などと叫んでみたがどうにもならない。
98からXPに乗り換えたとき、そのあまりの親切ぶりに心酔し、二度と98には戻れないわぁなどと思っていたが、あのときの私はまだ子供だったね。
優しくしてくれる人が本当に優しい人とは限らないよね。
98はとても素っ気無い無愛想な人だったけど、一度パスワードを忘れたぐらいで私を締め出したりはしなかったじゃん。
XPはどんどん私を誘導尋問していって、私が貧乏だってわかるとこんなに簡単に捨てるんだ!ボロ雑巾みたいに捨てちゃうんだっ。
とかいいながらしつこくキーを連打していると、何がどうしたのかいきなりログインできたので、ホッとしすぎて腹痛に襲われてしまったのだった。
万全かと思われたバックアップが実は不完全だったりしてショックを受けつつも、なんとか生還したが落ち着かない。
画面が点滅しないのでもう目が痛くない。音もちゃんとステレオになっているので一人ドップラー現象に悩まされない。
でも、すわ有償ハードディスク総交換のトラウマのせいで、電源をいれるときにすんごくどきどきするのは逝きかけPCのときよりも激しい気がする。
何よりも、邪魔な線がなくなってすっきりしたものの、PC本体がすごくでかくてもしかしてこれが一番邪魔じゃないか?みたいな根源的な疑問が落ち着かない原因かもしれない。
テレビとして使わないのに、テレビより明らかにでかいなんて・・・
PCに向かっていると前がみえないのでロケットの操縦席にいる風なのだ。
(ロケットの操縦をしたことはないが)
そのうちこのPCが私の独り言に返事をするようになる。「僕はハルだよ・・・」ってなかんじに。と思ってしまう私は何世紀の人なんだ。PCぐらいで大騒ぎして馬鹿。(お金を使うとすぐ騒いでしまう習性がある)
しかし、もしこの子がしゃべり始めたら真っ先にパスワードを覚えさせよう。そうしよう。