百二十億

魂もってる?

夏が来るたびに同じことを連呼してすみませんけど!暑いんですけど!
関東で雨が降って、梅雨らしく大雨洪水注意報とかいっているときにも、キャッスルでは一滴も降ってこず、雨が降りそうなムシムシと、そのムシムシを封鎖するような結界が張られたゲルゲドームに閉じ込められ!
湿気と乾燥というありえないコラボで自分がチリチリになってきた。
ウルトラバイオレットによるダメージを防ぐために肌を保湿しようとすると、ゲルがゲルゲルになって顎からしたたり、毛穴が際限なく拡張して、このままだと顔が蓮コラになる!
冬場の粉ふきマット肌が恋しい。
何をしても地滑りして顔に定着しないぜ。
やれやれだ!

そして毎年同じ失敗を繰り返してすみませんけど!
梅雨前にすべき寄せ植え鉢の衣替えがズレこんでこんな灼熱の中に。
注文した取り寄せ苗が届いた状態で萎びていたりする。
ガツガツに植えてみたけど、花が咲く前に腐って土にお返りになるかもしれない。
貧乏なので超平凡でひねりのない寄せ植え。

とかやっているうちにまた芝刈り機が壊れる。
新しいのを買いにいき、すぐ壊れるんですけど!と文句をいったところ
暑いときは機械の消耗も激しいので、20分使ったら40分休ませろとかいう。
なんだその芝刈りは!!
芝刈は暑いときにするもんじゃろがい。芝は暑いときしか伸びんじゃろがい。
しかしこの暑さの中、ホムセンの兄ちゃんも目が据わっているし、私もレロレロなのでもうこんなやりとり意味無いから。
黙って気力の続く限り私は刈る、刈り続けるぞ。

そんな中、俄かにハリポタムードが降臨中。
賢者の石を読んだとき、これがあと数冊綴りになっており、つまり最終巻が発売されるときには、私らはもう婆さんになっているのではないか、とハリポタ仲間と語り合ったもんだったが本当になってしまうとは。
それでもって、婆の身に何が堪えるって本が重くて長時間の読書がままならないこと。
うつぶせになると腰が痛く、上を向くと手が痛く、横を向くと目が痛く、乱視が酷くて頭痛がして集中力がなくて頭が悪くて漢字が読めなくて話が飲み込めなくて!
とにかくハリポタときたら本が重いんだよ本が!
いまさらながらにライトバージョンが発売されているけど最初の数冊のみ。
なに、このいやらしい商売。
他の国ではちゃんと持ち歩けるような日常的な大きさと重さで発行されているというのに権利独占の日本販売元(しかも脱税)めが!
ハリーが魔法を使うたび、教えて、私にも本を手に持たずに読書する魔法を、と思う。
日本の販売元は悪い魔法使いです!

そういうことで私が読んでいるのは最終巻の一歩手前のプリンスのところ。
で、密林のレビューで力いっぱいネタバレ(プリンスが誰のことなのかはっきり書いてある。びっくりしました!とかかいている。お前にびっくりだよ馬鹿野郎)しているお前は珍だ方がいいから!
ネタバレされてしまったがくじけずに読むだ。


[rakuten:book:11345480:detail]
「魂の恒常性」と名づけられたプロットにぐっときた。
世界人口が120億人で安定を示しはじめたころ、ある村に「魂」を持たない男の子が誕生する。その男の子をパブロという。

パブロは言うなれば、空っぽの器、実のない果皮、宝石の入っていない宝石箱だった。


両親は絶望し、村の司祭のはからいから学校へ通うも

教室では、セメントの床にボルトで固定された頑丈な机に革ひもで繋がれたまま、授業を受けた。彼はそれを苦にしなかった。恥や自己嫌悪を覚えることがまったくできなかったからだ。


なぜなら魂がないから。
時を同じくして別の場所でも、パブロと同じく魂を持たない子供が次々誕生。
その子供たちはえてして他の子供よりも色々な能力が高かった。でも魂は持たない。
人口統計学のグループによって発表された、魂を持たない子供が生まれる理由が凄い。

それは、この宇宙には一定数の魂が存在しており、その数は百二十億であることを示唆していた。だからこそ、世界人口がこの数を超えるたびごとにLSD(魂欠乏症←このネーミングナイス)の子供たちの誕生ブームが起こり、それは世界人口がふたたび百二十億人を下回るまで続くのだった。

そして結局、人口が百二十億を超えないようにはからわれるようになるのだが

最後に、地上の人類はそれ以後、精神的な生き物として、おたがいをより深く尊敬しあうようになったことも付け加えておこう。ひょっとすると、百年後あるいは一億年後に、ふたたび出会うかもしれない魂に対して、人はそうそう怒鳴ったり罵ったりはできなくなったのである。

あらゆる信仰対象にある神が、最後は同じ場所で繋がっている、という説を私は信じていないけれど、宗教は別としてのスポリチュアル界隈が複雑に交雑しているのは感じる。
まあ、前にも聞いたような話、というのにめぐりめぐって何度も出会っているのかもしれないけれど、隣人を罵るべきではない明白な理由が「魂の数がきっかり百二十億だから」説はなんか美しい!
望まない出会いも百二十億のうちの2つ。
やっとみつけた魂も、100年後には別の場所でまた出会う2つ。

ちなみにこの本もまた密林にてスンゲーネタバレされ中。
開口一番にラスト5頁を語りまくるってなんだよ。馬鹿か。