お姉さんBとの出会い 

雷びびったよねー

年末に、美容院の予約をいれようとしたときはミミったぜ。
かれこれ10年もお願いしているお姉さんAがご懐妊につき年始まで動けないという。
ほんじゃあ別の誰かで、と予約をして来店してみれば、あてがわれた担当は私の永らくの天敵ともいえるルーシー(レ!イ!ク!じゃないほうのエンジェル似)だった。
仲が悪いのが幸いし、ほぼ無言のままチャッチャカ作業を終えた我々。
しかしコンセンサスがとれない、というのは重篤な病。
ショートのため切りなおしもままならず、カワウソヘアで年越し。
うんざりするぐらい髪の伸びがスピーディーな私もさすがに縛れない、まとまらない、まとめられない、巻けない、と色々できないヘアにはまいった。
やっぱ、こんな人間でも毛がおかしいと憂鬱度も上昇するのだった。
トホホな気持ちでやっと仕切り直すことにした春。
今度こそお姉さんAに予約をいれようとしたらば、すでに産休にはいっているという。
私はルーシーにはもう切られたくない、とダイレクトに告げると電話娘が「それじゃあ、私でいかがですか」。
さて、電話娘がどの娘なのか?
電話娘は私のことを知っているという。私が怪しげな印刷物を持ってお姉さんに無茶ぶりしているのを目撃していたという。
自分の記憶の中で、お姉さんAでもルーシーでもない子というと、女子高生みたいなギャルギャルしたギャルなんだけど、もしやそのギャルか?
「すごーく若いあの子かな・・・」と私がつぶやくと、「そんなに若くはないんです・・・」と声を曇らせたのが面白かったのでこのお姉さんを指名することに。
当日現場にいってみると、やっぱり電話娘は私がギャルだとおもっていたギャルだった。
やけにハイテンションでゲロゲロクエスチョンされたり、グダグダ自分語りされたりしたらどうしよう?白髪があるとかいっていじめられたらどうしよう?と心配だったが、職業柄(?)か、心得た感じで、想像よりずっと気分よし。
さすが、そんなに若くはない娘!使えーる。
仕上がりも気に入ったッス。
お姉さんAにずっと頼りきりだった私。
お姉さんAなしにこれからどうやって自分の髪盛りを管理しようかと本気で悩んでいたけど、お姉さんジプシー問題解決。
次もギャルにお願いしよーっと。
それにしても、私とルーシーの相性の悪さ半端ない。
到着するなり入り口のところでルーシーに遭遇したんだけど、挨拶しようとする私に対してルーシー(電話受け中)が咄嗟にとった行動は、目をそらして壁を向く、だった。
女子高生か!
ギャルは私がルーシーを拒否っていることをチクったのだろうか?
あんた面白い人だね・・・とおもいながら、手入れされていない花瓶の水が緑に濁っているのをみて切なくなりつつ順番待ちをしていた私。
ぼんやりしていたら、超作り笑顔でルーシーが「こんにちわぁ」と硬直した挨拶をしにきた。
タイミングといい意表をつかれた。
ギャルによるニューヘアの仕上がりがいいのでスルーできる。
が、思い返すに、私が来店しているとき、ルーシーが客の髪の毛切っていることをあんまりみたことがないような気もする。
あいつ、もしかして客がつかないんじゃ?
ギャルの腕が想像の300%増というかんじだったので、今、毛に関して私の機嫌はEです。