Извинете за опоздание.

CastleDragon2004-11-18


この間読んだ本に、人が実際に味覚で感じている「おいしさ」は味全体の3割、と書いてあった。
7割は、食事した店の雰囲気とか、状況とか、一緒に食べた人と自分との関係とか。
この論法だと、飲食店に大切なことはコックさんの腕よりも店の内装とか照明とかってことになる。
3割ってこたぁないだろうと思う。
入店した途端に、「おい、食中毒平気かよ」と思うようなきったない店でも、でてきた料理が予想外においしくて、「いいやもう、お腹痛くなっても」と平らげてしまうこともある。
実際にお腹が痛くなったことはない。私は朝一の新幹線に乗らねばならない、なんとしても逃してはならない、という状況で寝坊をしたことがあり、でも空腹だったのでまるでCMに出てくる「マック好き野郎」のような切羽詰った状況でマックに押し入り、ブツをゲトして、ダッシュでなんとか新幹線に乗り込み、「よーし、いけたぜ(新幹線に間に合ったの意)」と上機嫌でなんとかバーガーを食べようとしたらば、手元にパンだけ残って中の具を全部床に落としてしまったことがある。
なんだかとても悲しくなり、柔道の「判定負け」のような気持ちになり、しばし呆然としたあと、突然に「3秒ルール」を適用して床に落ちた具をまたパンにはさんで朝マック。このときこそ、「あとでお腹痛くなる」を覚悟したのだが、ぜーんぜんなんともなかった。平気。これが、自分の中で腹痛の基準になっており、新幹線の床よりも綺麗そうならOK。(なーにがOKだ)
マックはいつもマック味。味覚3割なら成立しないと思う。

ところで、私はつい先日、生まれて初めて「牛角」にいったのだ。
入店するときにちょっとドレスコードとかを気にしてしまったのが私のかわいいところ。高級な店だと思い込んでいたのですね。
なぜそう思ったかというと、うちの近くにある「牛角」の周りにある他のご飯やさんが、それよりもっと貧乏臭いからに他ならない。
ドキドキしながら入店すると、たまたまなのか「何名様ですか?」と現れた店員がホスト風だったため、私は勘違いしたまま着席。
しばらく大人しく店内を見回していたのだけれど、中は薄暗くて、スモークまみれでよくわからない。
しかしよく見ると、なんか文化祭の模擬店のようにも見える。
座敷で走りまわっている子供も小汚いし、その横でビール飲んでるヲカンの二の腕もマダムのそれではないし。
「京都の町をイメージ?」と強引に解釈してみた角材の仕切りがプライバシーを守っているようでぜんぜん守っていないので、隣で合コンしている人たちの会話が筒抜けでうるさいです。誰が誰狙いなのかわかりすぎ。
それでメニューを開いたらば手作り感覚があふれており、、パウチのあとも生々しく肉のランクが細かい。
ここらへんで私もさすがに緊張するこたぁないんだ、と気づき、おかげさまでリラックスしつつ肉を食べました。ええ。
だって、レジの後ろに「ほっぴー」とか貼ってあるではないの。
何をびびってんだか。

そんな私の味の基準だが、私が一番スキなご飯屋さんは実は「キオスク」。
欲しいときに欲しいものが「ささっ」と高速で出てくるところにロマンを感じる。これ以上のサービスがあろうか。食べたいときに食べるものよりもおいしいものがあるだろうか。
こんな大層に語るほどのことでもないが、この「高速」の大事さは他の食事にも適応されており、自分が人に料理を出すときにも、「味がちょっと」なことより「早いか遅いか」を重視する傾向がある。
まずい料理を出すよりも、遅い料理を出すほうがより罪悪感に苦しむ。
すばやくおいしいものが出せたときほど得意げ。
でもこのポイントはずれているようで、のんびり目でもいいからちゃんとしたものを、と思う人のほうが多く感じる。
例外もあるが、ファミレスの入り口にある「たまり」のところで「座って待つ」なんて絶対にありえない。
だったらもうドライブスルーでいいよ。
混んだ店で店員の姉ちゃんがてんぱって、皿と箸を投げてよこしても、食べ物が高速ででてくるなら私は怒らない。
空腹4割、高速5割、味覚1割。
って味覚3割いってないよ?
キオスクとか言ってる時点でおかしいさ。
でもこんな人間も生きています。

ムーミンママのお料理の本