バルバロッサの屈辱

一年って結構いろいろできるのよ・・本

金魚開始からさりげなく一年が経過している!
半年も待たずに全滅してしまったりするんだったりして、とそればっかりが心配で。
最初は水中ガーデニングを夢見て始まったが、とにかく「殺さない」とだけ命題にして美観はそっちのけ。
初期に散財した高価な水草は、とっくに金魚が食い散らかして跡形もなし。
元気な魚と丈夫な水草だけが残った。
恐ろしく観賞価値の低いキャッスル水槽。
あ、金魚と美アクアは両立しないんだ(人によってはするのでしょう)、と気づいてから、庭仕事しているときのように、なんらか成果を求める気持ちがうせていた。
元気な金魚を眺めるのが贅沢である、という心境の変化があった。
まずは一周年で、金魚ありがとう金魚と思いながらじろじろみていたら、和金の顔がなんだかおかしい。
顔に白いブチブチがあるではないか。
あーこれが白点病というものなのかとショックを受け、バケツに金魚引越し。
白点病の元である白点虫は、寄生する生態がないと数時間で死滅、という情報を仕入れたのでまずは水槽をクリーンにするための隔離。
金魚は新しい水で塩浴、
白点虫は、分裂する際に金魚から一度離脱するらしいので
離脱したところで水交換、というのを繰り返すしかないか?
でも離脱したとどうやって見分けよう?
しかし金魚はイキイキと元気であり、ああ、いつもと変わりなく見えても病気がひっそり進行していたということ?
水温が下がってからエサも減らしていたし、水換えもしていたのに、どのへんが悪かったのかなとグジグジ自分を責めていた。
私は金魚隔離薬浴を成功させた実績がなく、今回も激しく自信がない。
こんな狭いバケツの中での最後は不憫である。
だいたい、私がしたいのはこんなチマチマしたことではなかったはず。
もっと勇壮で、空の開けた場所で大河を見下ろしながらふんどしをひるがえしているような景色が部屋にほしかったはず。
なんで30センチの水槽の中に、巨漢家族4畳半で怒りの酸素不足部室のロッカー足臭いみたいなことをやっているのか。
時が満ちた。満ちたぁー!と覚悟が決まったので、90センチを立ち上げることにする。
90でかい。でも、水がはいっていないままでも結局同じ部屋にあるわけだしネ!
ネ!じゃない。
外部ろ過導入。
そんで30センチは閉鎖して、60はマリモエビオアシスにするだ。
水槽移動するために、衣装ケースにまずは琉金を移動。
金魚買おうと決めたとき、なんであんなに水槽選ぶのが大変だったのだろうと思う。
衣装ケースでも水があれば金魚は気にしていない様子。
業界のコマーシャリズムに私は踊らされていたのではないか。
すごく踊っていたんではないか。もっと気をしっかりもてよこのやろう。
男は黙って。男じゃないけど黙って90。
そんでもって無骨な枯山水。水がタプタプでも枯れ上等で金魚は気が済むまで巨大化させたらいいのだっ。
でもいざやってみると引くぐらいでかい90。
これ絶対私も混浴できるでしょ。
病気の子たちも回復させてここに呼ぶんだっ。
あらためて金魚マニュアルを熟読していると、私が思っているのと白点病の様子が違う。
そんでもってさらに熟読すると、うちの子たちは白点病ではないとしか思えない。
白点じゃなくて、これは追星(ビバヒル状態)ではないのかぬ?
それ病気じゃないし。
猫が子作りに励んで朝方の庭がスーパーフリー
時を同じくして水槽の中もフリーな様子。
治療するまでもなく金魚元気。
なんだーならこれでいいんだぁー。で、超欝で塩加減の計算とかしていた私も元気が回復。
バリバリ水槽を移動させて90始動。
引越し前の60がカオスになっているけど気にスンナ。
1年を要して本来の金魚活動。
なんで一年を要したかというと・・・金魚を知っているようで知らなかったからとしか言いようがない。
こんなに巨大化するとは。こんなに新陳代謝するとは。
今、バケツでキャボキャボしている金魚を眺めて不思議な気持ち。
一年間横からみていた子たちを、一年ぶりに上からみている。
金魚を愛でるときの目線の位置。
上から横から。どっち派ですか?
横からがいいよ!とにかく横。と一年前に思ったんだけど、改めて今、上からもいい。
とてもいい。
で、90の位置は床上15センチぐらいなので、デビューしたあかつきには上からも横からもいこうとおもっております。
現在の悩み、外部ろ過のホースが硬くてウネウネが思うように水槽裏に隠せないこと。
一年の成果:
(ミナミヌマ)エビの増殖、タニシ増殖、金魚猛成長。
メダカ・私の不注意による落石事故で死傷者発生。残党が夏の再起にかける。
一年の減退:
アナカリス・ほうれん草20束ぐらい金魚に食われる。
ベトナムクローバー・金魚に掘り起こされほぐさればらばらになってろ過に吸われて消滅。
ドワーフフロッグビット・注文履歴があるが、どんな草だったかも思い出せない。消滅。
西洋マリモ・金魚にほじくられて抱き枕に。隔離により現在復帰。
スプーンソード・新芽がことごとく金魚のおやつに。根っこだけなんとか生存。
(ヤマトヌマ)エビ・ガサツなキャッスル家風になじめず出家。残党が静かにミナミの群れにまぎれる。